はじめに
「INFP」と診断が出た方の中には、「INFP-A」「INFP-T」というサブタイプが表示されて戸惑う方も多いでしょう。
「A」と「T」の違いは何か? 自分はどちらに近いか? それが性格や強み・弱み、仕事・人間関係にどう影響するか?
こうした疑問を持っている方に、「違いを知ること」が自分を理解し、伸ばしていくヒントになります。
本記事では、両者の共通性と違いを、性格特性・強み・弱み・適職・関係性という観点から丁寧に解説します。
INFP-AとINFP-T(仲介者)の基本を理解する
INFPとは?性格概要
まずは「INFP(仲介者型)」そのものの特徴を押さえておきましょう。
INFPは 内向的(Introverted)、直観的(Intuitive)、感情的(Feeling)、知覚的(Perceiving) の組み合わせです。
他者への共感力・価値観重視・理想主義的な志向を持つことが多いです。
一方で、自己批判的になりやすい、細部や現実的なタスクが苦手、他人の意見を気にしすぎる、という弱みを抱えやすいです。
INFPは人口のうち割合としては少数派で、およそ 約4%程度と言われております。
このような基本性質の上に、INFP-AとINFP-Tという細分化が加わることで、同じ「INFP」でも表れ方が異なるという考え方が出てきます。
INFP-AとINFP-Tの性格|似ている点と違う点
両者に共通する特徴、次に「A型/T型」によって傾向が分かれる違いを整理します。
共通する特徴
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深い価値観や理想を持つ
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他人の気持ちを汲み取りやすい共感性
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内的世界での思索、感情体験の豊かさ
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外部評価に敏感になりやすい側面
これらはINFPとしての基礎であり、A型・T型でも揺らぎにくい共通点です。
INFP-Aの特徴
INFP-A(Assertive Mediator:アサーティブ型)は、自己肯定感や感情の安定性が比較的高い傾向があるとされます。
以下に主な特徴を挙げます。
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自己評価やセルフイメージが安定している傾向
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挑戦・変化に対する抵抗が比較的小さい
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急ぎすぎず、決断力を持って行動できる面がある
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感情の波が比較的穏やかで、ネガティブな感情を長く引きずりにくい
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「失敗=自分=価値が低い」という結びつきを緩やかに扱いやすい
また、ミスや過ちを「誰にでも起こること」と捉える傾向がA型の方に強いと言われております。
INFP-Tの特徴
INFP-T(Turbulent Mediator:タービュラント型)は、感情の揺れが強まるとされます。
特徴を以下にまとめます。
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自己批判・自己疑念を抱きやすい
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ネガティブ感情を長く引きずることがある
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他人の評価や反応を強く意識しやすい
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決断の際に慎重になりすぎる、または迷いがち
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感情の起伏が大きく、ストレスを受けやすい
INFP-Aと INFP-T の性格「3つの違い」
両者を分ける主な違いを以下のようにまとめました。
観点 | INFP-A(アサーティブ型) | INFP-T(タービュラント型) |
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自己肯定感・安定性 | 比較的高く、揺らぎにくい | 比較的変動しやすく、不安定になりやすい |
感情の波・ストレス反応 | ネガティブ感情を引きずりにくい | 感情の起伏が大きくストレスに敏感 |
意思決定・行動力 | 思い切りがよく行動できる傾向 | 迷いや慎重性が強く、優柔不断になりやすい |
これらの違いは「傾向」であり、個人差・環境差が大きく影響します。必ずしもすべてが当てはまるわけではありません。
強みと弱みから見る INFP-A と INFP-T
性格傾向の違いを、強み・弱みの観点からも見ていきます。
INFP-A の強みと弱み
強み
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安定した自己肯定感により、挑戦を続けやすい
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ネガティブな要素に囚われにくく、前向きに切り替えやすい
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決断を下しやすい場面で動きやすい
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周囲へ安心感を与える存在になりやすい
弱み
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自信過剰・楽観的になりすぎるリスク
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他人からの批判や警鐘を受け取りにくくなる可能性
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改善点を見逃したり、見落としが出やすい
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安定志向が強くなりすぎると変化や成長を重視しにくくなる
たとえば、A型は「失敗を軽く捉える傾向」がある一方で、改善の余地を見過ごすこともあります。
INFP-T の強みと弱み
強み
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自己改善志向が高く、自省的になりやすい
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周囲の意見を丁寧に受け止め、柔軟に軌道修正できる
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切実な感情体験を価値に変えやすい
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苦しい経験を他者共感につなげやすい
弱み
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自己批判や過度な反省傾向が精神的な重荷になりやすい
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感情の波が激しく、安定を欠きやすい
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決断を先送りにしたり迷走しやすい
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他人の評価に振り回されやすい
INFP一般に見られる傾向として、「自己批判・他者評価への過敏さ」がありますが、T型ではこの傾向がより顕著になるとされます。
INFP-AとINFP-Tの適職・キャリアの違い
仕事・キャリア選択の際、A型・T型の傾向を踏まえた視点で、それぞれ向いてる職種を紹介します。
INFP-Aに向いている仕事3選
INFP-Aは比較的感情が安定して行動力もあるため、以下のような職業が向く可能性があります:
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プロジェクトリーダー
自ら意見を出しつつ人をまとめるような役割。 -
マーケティング
クリエイティブ性と意思決定能力を併せ持つ場面で活躍。 -
コーチング職
相手の可能性を引き出しつつ、自己表現力を活かせる仕事。
ただし、INFPという性質上、自律性・価値観との整合性が取れないとモチベーションが下がる点は共通留意点です。
INFP-Tに向いている仕事3選
INFP-Tは自己批判が強い反面、繊細さや感受性を活かせる分野で能力を発揮する可能性があります。
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ライティング/編集/執筆
内面世界や感情を言語化して表現することに向く。 -
セラピー・カウンセリング・相談業
他者の感情に深く共感できる強みが活きる。 -
アート・創作活動(イラスト、音楽、創作表現)
感情の揺らぎをクリエイティブ表現に変換できる場として。
両者に共通して言えるのは、「意味・価値観が感じられる仕事」でないと、エネルギーを失いやすい点です。
人間関係における INFP-A と INFP-T
性格差は、恋愛・友情・家族関係にも反映されやすく、その違いを理解しておくことは関係性を深めるうえで有効です。
恋愛観と相性の特徴
INFP-A の恋愛傾向
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自分の気持ちを比較的はっきり伝えられる
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パートナーとの関係に安定感を求めやすい
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相手の意見にも譲歩できるバランス感覚が働きやすい
INFP-T の恋愛傾向
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相手の反応・気持ちを過度に気にしてしまうことがある
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自己否定的になると相手にもその影響が出やすい
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好意表現が慎重・繊細になりやすい
「INFP-T は好きになるまでに時間がかかる」「相手の評価を気にしてしまう」などの傾向があります。
友人・家族関係でのふるまいの違い
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INFP-A は比較的自分らしさを取り戻しやすく、他者との関わりにおいて“安心できる存在感”を出しやすい
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INFP-T は他人に合わせすぎて自己を抑えたり、過剰に気を使ったりする場面が出やすい
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T型は慎重派ゆえに、信頼関係を築くまでに時間がかかることもある
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A型は率直さを示しやすく、衝突を避けつつも率直な対話ができる場面がある
この差は、「安心感と距離感」「自己投影しすぎ vs 自己主張のバランス」が表れやすい領域です。
INFP(仲介者)あるある&体験談
最後に、INFP(仲介者型)全体としてありがちな行動パターンや、読者の疑問に答えていきます。
INFP(仲介者)タイプにありがちな日常行動
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深く物語・芸術世界に没入する
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他人の悲しみや感情を強く感じる
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小さな言葉や態度を気にしてしまう
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一見穏やかでも内的葛藤を抱えている
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完璧主義と理想主義の間で板挟みになる
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「これでいいのか」という思考が頭をよぎる
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表現したい思いと伝える言葉のギャップに悩む
読者が気になる質問集
Q. INFP-A と INFP-T、どっちが自分に近い?
自分が「感情の揺らぎを引きずるかどうか」「決断の迷いが多いか」「自己批判の程度」などを振り返ってみて、それが日常的傾向かどうかで判断できます。
Q. どちらが「優れている」タイプ?
優劣はありません。A型・T型それぞれに向き不向きがあり、それを知って活かすことが肝要です。
Q. T型のネガティブさを抑えるには?
認知行動的な手法、感情記録、信頼できる他者との対話、自己肯定の習慣化などが助けになります。
Q. A型でも弱みはあるの?
はい。過信・楽観過ぎ・変化に対する意識低下や改善点見逃しなどに注意が必要です。
まとめ|INFP-AとINFP-Tの違いを理解して活かす
INFP-A と INFP-T という区別は、INFP という枠の中で「感情の安定性」「自己肯定感」「行動傾向」の違いに焦点を当てた補助的な分類です。
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A型は比較的「安心感・行動力・ポジティブ」な傾向がある
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T型は「繊細さ・自己批判傾向・感情揺らぎ」が強く出やすい
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どちらにも長所と短所があり、環境・自己理解・対処法によって伸び方が変わる
この記事が参考になれば幸いです。
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